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7/20 青森県十和田市 私たちの納得感の見つけ方「これからの地域の関わり」イベントアーカイブ

 

青森県十和田市の、【イベント私たちの納得感の見つけ方「これからの地域の関わり」】は、

7月20日(土)に開催され、無事終了いたしました。

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自分の暮らしを振り返る時、何を感じて日々取捨選択して行動に移しているのだろうか。

それは自分自身で感じる”納得感”が得られるかどうかによるのではないだろうか。

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この”納得感”をキーワードに今現在十和田市に関わりながら暮らしている方々がトークセッションしました。

ゲストの方々は元々暮らしていた内側に戻ってきた人もいれば、完全に外側からやってきた人もいました。

それぞれの立ち位置と切り込み方でその土地に馴染んでいくまでを振り返りながら、お話が発展していきました。

 

 

移住者だけではなく、多拠点居住者との関わりも増えつつある十和田市。

Uターンや新規移住というような土着的なものとはまた違う、常にどこかを巡り続けている立場ならでは関わり方が生まれて来ているようでした。

 

トークの中で、「この街に2〜3回は訪れただろうから次からは移住のことを考えてみて〜」と謳うのは「2〜3回遊んでみたら次からは結婚のことを考えてみて〜」というのと同じだという感覚のお話が印象的でした。

移住やその土地に住むというのはとても気軽いものではなく、結婚や契のようなもの。だからこそ人によっては信頼感や安心感が生まれ、人によってはそれを重く感じてしまうかもしれません。

 

 

世の中で移住促進系のイベントが乱立する中、

「移住も嬉しいが移住だけが地域を盛り上げることに直結するわけではない」

という十和田市行政の方のお話は、これからの時代を見据えているしっかりとした目線でした。

 

「移住するしない・結婚するしないに関わらず、十和田を好きになってもらえたら。」

「気軽にいつでも遊びに来てもらえたら。」「一緒に楽しみを見つけていけたら。」

ゲストの方や十和田市の方からはとても自由で温かみのある言葉が交わされました。

 

 

 

 

今回イベントが開催される一方で、実は風土スタッフが独自に十和田の町自体を何度か観察しに行っていました。

 

 

 

 

 

よーく見てみると、今も昔もとても両極端な存在が同在していることがわかりました。

”湖と山が連なる大自然と寂れた観光地。”

”古き良さも感じられながら現代アートが花咲くような街。”

ここまで両極端なコンテンツが同在する場所も珍しい気がします。

 

初めての十和田湖や十和田の町並みに足を運んだシェフは

「両極端なものがすでに存在しているからこそ、様々な人や人の感覚を受け入れられる器の広さがあるのではないだろうか?」と感じたそうです。

 

広大な大地と街が同在し、多くの人々の感覚と自由さを受け入れられる度量のある地域だからこそ、今の十和田市に魅力を感じ、それぞれの立場なりに関わっている人たちがいるのかもしれません。

 

 

そんな今の十和田をイメージした料理を作れたら・・・

 

 

・・・ということで、懇親会タイムではシェフ・石丸による”十和田スペシャル”が登場しました!

 

 

 

*実際に提供された当日のメニューの詳細については

7/20 青森県十和田市 私たちの納得感の見つけ方「これからの地域の関わり」料理考察について

を読んでみてください♪

 

 

 

 

イベント中リアルタイム発信でブログ記事が完成!

そしてリリースしたブログを展開しながら、シェフの解説を聴きながら、

自由に立食していただきました。

 

 

 

トークや質疑応答、料理、ウェブメディアなど。

様々な形で十和田について、そして私たちの納得感についてを語り合う素敵な一夜になったと思います。

 

イベントにご来場いただいた方も、そうでない方も、十和田にふらっと遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

期間限定特別メニューvol.1【抒情的三寒四温のベール】

 

こんにちは。食べられるミュージアム「風土はfoodから」の料理人まるちゃんです。

 

現在、2Fのギャラリーにて特別企画展「SHIGEKIMARUYAMA × mas/mas 〜HIKARI〜」という展示が行われています。【写真×音×枡×食×酒】という異色のコラボレーション企画で、多くのお客様からご好評いただいております。

 

お時間ございましたら、ぜひ会場に足を運んでこの世界観を覗いてみてください。
(展示期間:2/4(月)-2/15(金))

 

 

 

1・2階が連動した期間限定メニュー

この展示会と連動する形で1Fでは「期間限定メニュー」を提供しています。今回はスイーツも含め3品ご用意いたしました。

 

展示されている「写真」や「mas/mas」からインスピレーションを受け、僕なりの表現方法として味や香り、食感や盛り付け、音や温度にこだわるだけでなく、なぜこのメニューが産まれたのかを文章にしました。

 

読み物としても楽しんでいただけたら良いなぁと思い、こうしてホームページにも残しておこうと思った次第です。

 

1品目は「抒情的三寒四温のベール」というメニューです。

「???」という感じのメニュー名ではありますが、想いの乗った一皿となりました。食べてみて、読んでみて、それぞれの情景を思い浮かべてもらえれば幸いです。

 

 

 

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叙情的三寒四温のベール

2月。それは「冬の残り香」と「春の足音」を両方楽しむことができる贅沢な季節といえるだろう。縦に長い日本において、東京という街では様々な食材を調達できてしまうため、いつも季節の変わり目ではメニュー作りに悩む。

 

このメニューは【SHIGEKIMARUYAMA × mas/mas 〜HIKARI〜‪】という展示とのコラボレーションメニューだ。ミュージシャンであり写真家である丸山茂樹の作品にインスピレーションを受けながらmas/masというアクリル製の枡の新しい可能性を探してみた。

 

 

2階に展示されている写真のひとつに、雲海からのぞくお城の写真がある。僕はこの写真を見て、1年前に旅をしていた高知県の山奥の風景を思い出していた。ニワトリの鳴き声で朝早く目覚めると眼下には雲海が広がっている。陽が高くなるにつれその霞はどこかへ消えてしまう。

 

一転して澄み切った山々からは大地を通じて水が海まで繋がっていることを感じさせてくれた。海の幸、山の幸は肥沃な土壌から産まれていて、我々人間は豊かな生命のおすそ分けを頂いているのだと思い知らされたのだ。

 

 

今回の展示テーマは「光」。朝霧が晴れ渡った先に見える海の幸と山の幸を、mas/masに閉じ込めた薫りと共に楽しんでほしい。アスパラや菜の花などの、季節の野菜は、そら豆と煎り酒でこしらえたソースで。

 

1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、とはよく聞くが、年々それを実感するようになった。丁寧な日々を送りたいと願いつつもバタバタと春の準備を整える。そして新しい季節にワクワクする、そんな足音が聞こえるような一皿になっていれば嬉しい。

 

 

 

 

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「風土はfoodから」のメニューには、こうした文章が添えられています。(時にはイラストや書も…!)

スタッフそれぞれの持つスキルや感性をフルに使いながら、「食べる」という行為をより立体的に描いていきたいと思っています。できたメニューはこうしてWebからでも楽しめるようにしたい。今後は映像なんかも作ってみたい。

 

「食」というキーワードを用いて「地方と都心」「生産者と購入者」「お店とお客さん」という様々な壁をゆるやかに溶かしていきながら、それぞれが自由に「play」する。そんな空間でありたいと考えています。